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〈養護学校や自閉症児の施設で教育や生活トレーニング〉
S.Hさん(当時22才、男性)
●養護学校で授業の中での子供の介助、食事や移動の介助をする
子供たちは自閉症や脳性まひのある子などがいましたが、先生を含めて学校内に日本語ができる人はいませんでした。最初は子供や先生たちの英語が理解できず困ることも多かったのですが、徐々に言葉の壁は薄くなりました。みなさんが本当に親切で優しく、そのおかげで最初から最後まで本当に楽しく充実した毎日をすごさせてもらいました。一方で、様々な国籍の留学生などと共同生活をしたり、一般の家庭に間借りをさせてもらったりしながら通いました。

●日本との教育の違いに驚いた
先生方のお手伝いをする中で、例えば授業の中での子供の介助(プールでの着替え、調理学習や工作で器具を使う時の介助、校外学習への同行など)や食事や移動の介助、一緒に遊ぶことなどを行いました。障害児教育専攻だったので、行われている教育の違いには驚くこともありました。でも、今まで生きてきた場所から離れて一人で新しい場所で生きることで、何より改めて自分を見つめ直す良い機会になりました。周りの方々の優しさに触れ辛い時に励まされる度に自分は一人で生きている訳ではないことを知り、子供の笑顔を見る度に心からうれしいと思い生き甲斐を感じ、見知らぬ場所でがんばることで少しだけ強くなれたかもしれません。毎日をすごす中で周りの人に感謝することと共に、自分と向き合うことを何より大切にしていました。

●楽な毎日ではなかったが、この経験が今の自分を強く支えている
それまでの日本での生活と比較すると、決して"楽な"毎日ではなかったとは思います。でも、今でもこの経験が自分を支えていることを感じますし、行ってきて良かったと心から思っています。これから先、辛いこと苦しいことは望まなくてもきっと起こると思います。でも、そんな時でもオーストラリアでのことを思い出せば、気持ちが少し楽になり、前向きになれるような気がします。 現在、養護学校の教員として働いていますが、この経験を今後とも役立てていくと共に、できれば他の教員にもオーストラリアと日本の障害児教育の違いについて知ってもらい、良い部分を取り入れる方向に持っていきたいと思います。いつかオーストラリアと日本の障害児教育の架け橋になれるといいなという想いを胸に抱いて、日々仕事に励んでいます。  「あなたにできること、できると夢見たことがあれば、それを今すぐ始めなさい。向こう見ずは力であり魔法であり、天才です。さあ、今すぐ始めなさい。」…これは、ぼくが向こうにいた時に常に自分に言い聞かせていた言葉です。頭だけで考えるのではなく、行動することが何より大切だと思います。あの時「オーストラリアに行く!」と決めてそれを実行したことは、自分の人生において本当に良かったなあという思いが、時がたつにつれてますます強くなっています。
 

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